2021-7-10OA「祇園祭」

公開日時:2021-07-17 14:58:40 / 放送局:FM87.0 RADIO MIX KYOTO / 番組タイトル:RADIO MIX KYOTO 京ごよみ

京都の人が楽しめる京都の旅を京都の旅のプロにナビゲートしてもらう「京ごよみ」の時間です。 今日ナビゲートしてくださるのは、洛を旅する「株式会社らくたび」代表の若村亮さんです。よろしくお願いいたします。 7月に入りました。あっという間に一年の半分が過ぎて7月から12月がもう後半年となりますので、ちょうど一年の折り返しを先日6月の30日に夏越の祓という形で皆さん、大きな茅の輪をくぐって、汚れをはらっていただいたと思うんですね。7月になりましたらもう京都はねまた一気に祇園祭の季節を迎えますので、ちょうど祇園祭になって暑さと湿気がねグッと高まって本格的な夏の到来を感じさせるようなちょっと暑さになってきましたね。 ちょっと蒸しっとしているんですけど京都の夏らしいって言うかそういう気がしますね。京都といいますと、なんとなく祇園祭で夏が始まってで、8月の五山の送り火でなんとなく夏の終わりを感じてくるという。暦を見てなくてもなんとなく行事の移り変わりで季節の移ろいを感じるっていうとこありますもんね。 京都は7月に入りまして祇園祭の様々な神事が行われるようになりまして、四条通りあたりを歩きますとコンチキチンのお囃子がいたるところから聞こえまして、提灯にも夜は灯りがともったりと、アーケードが大変賑やかになってきました。 この祇園祭はかなり長い歴史がありまして、今年で1152年目を迎えるという平安時代の初めの頃から続く祭りなんですよ。現在と同じように全国的に流行病、当時は疫病と言われましたけども、この病が 貞観11年869年に大きく流行りまして、この病退散を願って八坂神社でお祭りが行われたのが発祥だとされているんです。その八坂神社は当事は祇園神社と呼ばれておりましたので、そのお祭りの名称も今祇園祭と呼ばれております。ただの神社さんが明治以降に名前を改めまして八坂神社と名前を改めていますので、ちょっと祭の名称と違うようになったわけです。八坂神社の神様、スサノオノミコトという神様を中心に疫病を司るというご利益を持っておられまして、その八坂さんの神様に願うことによって病が退散させられるということなんですよ。元々は病が流行った年のみ行っていた祭りなんですけれども、今から1000年ちょっと前に平安の中頃になって、毎年この祇園祭をとり行って、いわゆる予防接種みたいなものであらかじめ祭を行って疫病退散させていくという、流行らないようにという、そういう祭りに実はなっていったということなんですよ。よく皆さん玄関口にチマキというお守りを飾って、無病息災、健康を願うという習わしがあるんですけども、これね実は6月30日に皆さんが神社で大きな茅の輪をくぐって健康を願いましたよね、あのチガヤというイネ科の植物を輪にしたものなので茅の輪という、大きな神社で輪が出てきたんですね。これチガヤを巻いたものでもありますからチマキとも言うんですよ。これがいつしかお菓子の5月5日の端午の節句などに食べられるチマキというお菓子がありますよね、あれといつしか同じような形になってしまいまして、本当は茅の輪を丸く束ねた輪っかがチマキなんですよ。それがお菓子のような形になってしまいましてね。京都にお住まいの皆様はあれ食べ物じゃないと分かってますから玄関に飾って疫病退散を願っていますけど、以外と観光の方で買い求められまして、すぐに道の真ん中で歩行者天国で開けておられる方もおられまして。 ということでこの茅の輪という病息災を願った夏越の祓、これ八坂神社の蘇民将来にまつわる伝説から由来となっていまして、その辺りが今も1000年を超えて受け継がれる形で、チマキという形で皆さんに疫病退散無病息災のご利益が授けられて祭りごととしてはこの街中で大きく祇園祭が執り行われてるって事なんですよ。今年も新聞発表がありましたけれども山鉾巡行が中止ということで、残念でしたところはありますけれどもそれでも八坂神社のお祭りとして神様への神事ごと、祭りごとというのは今年もちゃんと粛々と執り行われまして、祈りが捧げられまして、疫病退散の祈念が行われるということなんですよ。 1ヶ月に渡って祭りが行われますので、実は7月1日から祭りは始まっているんですよ。今日7月2日はくじ取り式と言いまして、山鉾巡行はないんですけれども、実は17日の先祭と、24日後祭の日には山鉾は巡行しませんけれども、各山鉾の代表者が実は四条通りなどを巡行して八坂神社にお参りをするという、そういう巡行行列はあるんですよ。その行列のどの山鉾の順番で代表者が歩くかという今日はくじ取り式が行われております。今日も京都市役所の議会場のところで、京都市長立会いのもとでそういう儀式が執り行われてまして、先頭行くのは長刀鉾と決まってるんですけれどもその後ろの一番くじ、山一番と言いますけど、どこの山がそれを引くかということで結構人気の話題になるんですよね。速報が入ってきましてね、今年、先祭17日山一番は霰天神山といます。天の神様を祀っていまして、火難除け火災除けのあられ雨を降らせて火災をおさめたということもあって、一番くじというのは縁起がいいですから、霰天神山を今年はちょっと覚えておいていただくといいと思うんですよ。24日の後祭の山一番は、役行者山。役行者山というのは、山ん中で修行する山伏の発祥ということで、様々な災い、諸悪をそういう手法という儀式で立ち去ると言うね、これまた災いを立ち去るという大きなご利益を持っていますので、いいお山が山一番になっていますので縁起がいい感じがします。 実は私も以前から、郭巨山でちょっとご奉仕をさせていただいておりまして、中国の郭巨、釜掘り伝説伝説に基づいたお山で、黄金の釜を掘り当てて親孝行ができたという言い伝えがあって、これに由来して、もちろん祇園祭ですから疫病退散のご利益もあるんですけれども、私たちの郭巨山は唯一金運が上がるというご利益があるんです。チマキの授与の時にチマキをよーく見ると、疫病退散の蘇民将来之子孫也というお札と共にもう一枚お札がついてまして、これがね、黄金の小判がついてまして、小判付きのチマキを皆様に授与させて頂きまして、今年は更に昨年と共に疫病退散が特に望まれる昨年今年です、急ぎ疫病を祓い給えという意味で急々如律令という言葉を書かれたら御朱印を付けて特別に皆様に今年も授与させていただきます。 実や山鉾の中には、今年は建てるところも出てまいります。山鉾連合会さんの方では、文化の継承と建てるという技術の継承も大切ですから。建てるのは街の中にある悪い病をもたらす病気をもたらす神々を集めて清めてるんですね。巡行が終わってそのまま山鉾をそのままの形にしておくとせっかく集めた悪い病気をもたらす神々がまた街の中に出て行ってしまって病気が流行ってしまうので、毎年巡行が終わったらすぐ解体をして、解体すことが清め祓うことになるんです。だからあんなに大きな絢爛豪華な山鉾をつくるんですけど毎年すぐに解体してるんですよ。一年ごとに倉庫から出すことによって虫がつかなかったり湿気がつかないようにと 文化財保護の観点からも非常に理にかなってまして、あと職人さんたちの技術なんかも毎年弟子へと受け継がれていくわけなんです。去年今年と2年経てたりしなければ文化財の劣化が起こったりする可能性があるので山鉾連合会としては建てるところは感染に気をつけながら建ててくださいという、そんな形になっています。本当に楽しむのは来年にということになるかもしれませんけれども、でもご利益としては、コロナがまだまだというところですから、ぜひ授かっていただきたいというところかなと思っています。私たちの郭巨山も宵山の期間中にあたる14、15、16の三日間、朝10時から夜7時まで、ちょうど四条新町と西洞院の間に町内の会場があって、そこでご神前を開きまして、皆様にチマキの授与をさせて頂きます。山鉾によってはインターネットで授与されるところもあるかなと思います。 基本的に夜は提灯に明かりを灯すことはちょっと難しいということなので、お昼間の授与となります。夜は今年もありませんので。私も14、15、16日の3日間のおそらく16日の午後なんかは、会場の方でご奉仕をさせて頂いてるかと思います。 また例年とは違う祇園祭が今年も執り行われますけれども、だからこそご利益を求めて今という疫病退散が求められる年ですから、是非皆さんも安心安全にお過ごしいただきたいと思います。 実は京都市観光協会様のサイトホームページの方で京都観光 NAVI Plus というページがあってその中に祇園祭のいろんな楽しみ方、特にコロナ禍の今年の楽しみ方や来年以降の楽しみ方を私がインタビュー形式で昨日データがアップされていますので、是非一度読んでいただいたらと思います。

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